ガラクタ♂♀狂想曲

「それでは、お願いします」


私がそういうと、早速タイムテーブルの紙を広げるオーナー。


「それでは明日、できれば4時に来ていただきたいのですが」

「——4時、ですか?」

「ええ、初日ですし。やはり流れを一通り覚えていただきたいもので」

「…4時は」


ちょと厳しいな。


「いえ、構いませんよ。無理を言っているのは承知の上ですから。それでは明日、何時なら来られそうですか?」

「——6時ごろからなら…」

「わかりました。それでは明日夕方の6時に、お待ちしております」

「はい」

「ところで津川さん、甘いものはお好きですか?」

「え?」

「わたしは甘いものが苦手でして」


突然の話題変更に、聞き間違えてしまったのかと思ったけれど、どうやらそうでもなさそう。


「いまからスイーツで人気のカフェをいくつか回る予定なのですが、お時間がございましたら、ご一緒にいかかでしょうか?」

「——いまからですか?」


いまさっきここへ来たところで、しかも初対面なのに。
この人って、本当に大丈夫なのかしら。


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