ガラクタ♂♀狂想曲

「ショコちゃん、寝た?」


これから大好きな瑠美ちゃんに会いに行くデンちゃんは、そう言って私の頬に口付けた。


「起きてる」


こんなふうに目を瞑ったままだと、また変に思われるかも——。なので目を開けた。

すると焦点が合わないほど近くに、デンちゃんの顔。


「瑠美が俺に会いたいって」


嬉しそうに頬を緩ませた。


「よかったじゃん」

「今から会いに行って来る」

「行ってらっしゃい」


だけどもし、私が名前も確認せず電話に出ていたならば、どうなっていたんだろう。


「こんな時間に、瑠美からの電話って珍しいから」


そう言って上半身裸のデンちゃんは、脱ぎ散らかした服を手繰り寄せる。


「多分なにかあったと思う」

「——そう。お大事に」

「あはは」


ご機嫌なデンちゃんは、私のおでこへチュッと音を立てキスをした。

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