ガラクタ♂♀狂想曲
「——おやすみデンちゃん」
そのままベッドへばたんと身を投げ枕に顔を埋めた。
「えー…、もーショコちゃーん」
ごそごそと潜り込んでくるデンちゃんは、擦り寄るようにあちこちまさぐりながら、器用に私の体へ足を絡めてくる。そして隙間からひょっこり顔を出した。
それから私の股のあいだに片足を滑り込ませ、より密着度を高めながら耳元で、
「ソファー」
「……」
「ね?」
こういうデンちゃんのスキンシップは、どんなに疲れていても私の気持ちを解きほぐしてくれる。
最近の私は、これをされると弱い。頭をぐりぐりしたくなる衝動に駆られるほどだ。それと同時に、素っ気ない態度を取ってしまっていたことを気づかせてくれた。
「なんか、ごめんねデンちゃん」
「お疲れ? 仕事キツかったとか」
「んー、なんか電池切れ」
「じゃ燃料補給しよっか」
すっと顔が近づいてくる。
吸い寄せられるかのように唇が重なり、口内をデンちゃんの舌がかき回し、そして優しく吸いつく。
ふと目を開ければ、瞳を閉じ恍惚とした表情のデンちゃんが見えた。疲れきっていた私の鈍感な唇も、反応せずにはいられない。
「——んン」
ほぼ同棲状態のいま。
たまに自分の部屋へ帰るデンちゃん。
たまに瑠美から呼び出されるデンちゃん。
たまにひとりで落ち込んだり、たまに驚くほどテンションが高かったり、たまにすっごく甘えたで、そしてたまに鋭い。
「——ショコちゃん」
唇を離し、私の頬を撫でるデンちゃん。
これ以上ないというぐらい至近距離にまで顔を寄せ、呼吸するたびにふわっとデンちゃんの煙草の香りがする息が私の肌を撫でた。
「あのさ、ショコちゃん。何か俺に隠してること、ある?」