ガラクタ♂♀狂想曲
どうしてわかる。
すべての意識を手放すかのように、じわじわ引きずり落としていくほどの眠気と、それを引き戻してしまうほどのキスの甘さでぼんやりと陶酔していた私の頭に、その言葉はがつんと衝撃的だ。
「ない」
「あるでしょ。なんか最近ショコちゃん、心ここにあらずって感じだし」
「———そんなことないけど」
「ある」
「ないって」
「いいや、あるね」
どうやら今日は一歩も引きそうにないデンちゃんは、そう言って私の上着をどこか乱暴にぐいっと捲り上げた。
「あるだろ」
そういって私の胸へ顔を埋め、舌を使って執拗に攻めてくる。
その口から一緒に吐き出された息が、私の身体をしっとりと撫で、そのたび身体の芯までもがきゅうっと疼き、ズキズキ火照るように熱くなってきた。
そのまま止まることないデンちゃんの指先。
「なにかあったら言ってよ、ショコちゃん」
「———ン、ァ」
「わかった?」
その指先が敏感な部分に触れれば、それだけで身体を締め付けてしまうほど。
終わることなどないように何度もじわじわ攻め来る快感に身をよじりつつ、自らも手繰り寄せていく。
「ん」
デンちゃんの短い喘ぎ声。
「——ショコちゃん」
そして少し潤った、その声に。
嗚呼。なんかどうでもよくなる。考えていたことすべて、手放して。
ただ快楽とデンちゃんを求め、頭の中が心地よくそれに支配されていった。