ガラクタ♂♀狂想曲

「どうしちゃったのよ。デンちゃんもオーナーのことを知っていたの?」

「——ああ、うん」

「信じられない。ほんとびっくりな偶然だよね」


ちくりと胸が痛んだ。


「私は今日たまたま、仕事のことで相談したいことがあって一緒なの」

「———こんな時間に?」

「うん」

「2人で? こんな時間に?」

「そうよ。だって仕事が終わってからだもの」

「だけどそれなら、わざわざこんなところまで来ないで、そんなの店の中で話せば済むことだろ?」


なぜか私にまで、突っかかってくるデンちゃん。せっかく穏便にこの場を済ませようとしているのに、それどころでもないらしい。そんなデンちゃんに、思わずカチンときてしまう。


「——じゃあデンちゃんは、ここでなにしてたの? さっきなんで私のこと無視したのよ」

「それは……、」

「一緒にいたの、瑠美なんでしょ?」


黙り込んだデンちゃん。
掴まれていた私の腕に込める手の力も、ふわっと緩くなった。


「ねえデンちゃん」

「——びっくりして、俺。………ごめん」


デンちゃん。



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