ガラクタ♂♀狂想曲
忘れモノ







デンちゃんから連絡があったのは何日か後だ。
正確にその日付を覚えていないのは、そこまでデンちゃんのことを私が考えているわけじゃないから。


「ねえねえ、ショコちゃーん。これ俺も飲んでいいー?」


冷蔵庫に頭を突っ込んでいたデンちゃんが、缶ビールを手にしてそういう。


「どうぞー」

「やったねラッキー。だけど今度来るときは俺が飲んだ分プラス、ショコちゃんの分もちゃんと買って持ってくるから」


なんだかご機嫌のデンちゃんは、今日も普通に上がりこんでいた。


「じゃあ私のは、プレミア買って来て」

「オッケ」


そして鼻歌交じりでプシュッと蓋をあけ、それを一気に流し込んでいくデンちゃん。ごくごくと喉を鳴らす。


「ぷっはあーー、うまいべえ」


これまた美味しそうに。

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