ガラクタ♂♀狂想曲
「デンちゃん」
「んー…」
「今日は、エッチしないよ」
「違う。触ってるだけ」
「だーめ」
「手を置いてるだけ」
「それもなし」
「えー…、なんで」
「しばらく、エッチなし」
「えええー…」
「だからハイ。この手も早くどけてください」
そしてブラの隙間から私の胸へ滑り込ませていたデンちゃんの手を引き抜いた。
「……なんだよそれ。手を乗せるのも?」
「うんダメ。そういうのも、たまにはよくない?」
「よくない」
するとふたたび手を滑り込ませてくるので、それも阻止する。
「ダメだってば」
「だからなんで」
「デンちゃんは他にも考えなきゃいけない大事なこと、たくさんあるじゃん」
「———そんなのは手を乗せてても、考えられる」
するとデンちゃんはそう言って、今度は強引に手を潜り込ませてきた。
「やめて」
「イヤだ」
「ダメって言ってるじゃん」
明らかにブスッと膨れたデンちゃん。
「どれだけいま俺が触れたいのか、ショコちゃんは全然わかってない」
私を見上げるように上目遣いでそう言って肩を落とす。
だけど、ここは鬼の心。デンちゃんにも、わかってもらわないと。
「ダメなものはダメ。しばらく、こういうのなし」
「———しばらくって、いつまで」
じっと私の目を見つめ、返事を待つデンちゃん。