ガラクタ♂♀狂想曲

それなら瑠美がデンちゃんを必要としているいま、それにデンちゃんも応えてあげたいと思っているのなら、コソコソしないで思う存分やったらいいと思えた。

それを徹底するためには、カラダの関係を無くすのが一番手っ取り早いと思う。いま私たちを繋いでいる確固たるものは、そこに違いないと思えたからだ。

一緒になって快楽に溺れていたらダメ。

デンちゃんがひとつ階段を上るなら私も一緒に、私が一歩踏み出すならデンちゃんも。乗りかかった船は、きっと同じ。

ここまで来たのなら、少しでも明るい未来が待つほうを選択しよう。——とはいえ、もともと後ろ向き思考の私がこんな強気なこと言えるのは、オーナーから指輪の話を聞いたから。その話をオーナーから聞いたことはデンちゃんに内緒だけれど。


「ねえデンちゃん」

「んー…」

「今度ウチへ泊まるときには、忘れずにお布団持ってきてね」

「え!」

「なにか」

「——布団も別?」

「んー…、まあ、だけど明日になったら、デンちゃんが買ってくれたふわふわソファーが届くから、そこでも寝てもいいよ」

「ええええ!!!?」

「なに」

「——いえ」


こんな感じでいいかな。
言いたいことも言えた気がするし、前よりも気持ちがスッキリした。あとは神のみぞ知る。

いやデンちゃん次第?
もしかして私かな。
瑠美やオーナーかも。


「ショコちゃーん」

「頑張れ若者」

「——え。4コしか違わないだろ」

「その4コが大きいの」


風向き良好。
前途多難、障害多々。



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