ガラクタ♂♀狂想曲
「まさかショコちゃん、俺が寝てるあいだにたくさん飲んだ?」
「……そんなには、飲んでないと思うけど」
「顔赤いよ」
「そうかな」
「どうせならさあ、お前も朝まで飲んでいけよ」
「だけど、もう朝ですよ」
「まだ夜だろ」
そしてグラスに酒を注ぎこんだオーナー。
「あのさデンちゃん」
「ん?」
「もう朝なのだったら、このまま自分の家に帰ったほうがよくない?」
瑠美が待つ自分の部屋へ。
「私のことなら気にしないで。始発まで、もう少しここにいることにした。電車で帰るから」
「急になに」
「帰らないの?」
するとふわりと煙草の匂い。
オーナーが私たちのやり取りを眺めながら目を細め、緩い息を吐き出していた。
「どうする?」
デンちゃんの答え次第。それで決めよう。