ガラクタ♂♀狂想曲

「まさかショコちゃん、俺が寝てるあいだにたくさん飲んだ?」

「……そんなには、飲んでないと思うけど」

「顔赤いよ」

「そうかな」

「どうせならさあ、お前も朝まで飲んでいけよ」

「だけど、もう朝ですよ」

「まだ夜だろ」


そしてグラスに酒を注ぎこんだオーナー。


「あのさデンちゃん」

「ん?」

「もう朝なのだったら、このまま自分の家に帰ったほうがよくない?」


瑠美が待つ自分の部屋へ。


「私のことなら気にしないで。始発まで、もう少しここにいることにした。電車で帰るから」

「急になに」

「帰らないの?」


するとふわりと煙草の匂い。
オーナーが私たちのやり取りを眺めながら目を細め、緩い息を吐き出していた。


「どうする?」


デンちゃんの答え次第。それで決めよう。








< 233 / 333 >

この作品をシェア

pagetop