ガラクタ♂♀狂想曲

「本来ならこの時間ですとまだ仕事中なのに、隼人につられて眠くなってきましたか?」

「——すみません。お休みして」

「今回は目を瞑りますが、次回からはバレないようにしてくださいね」

「…あは」

「それと隼人。意識戻ったのなら、もっと派手にやれよ」


え、


「はーやーとー」

「……違いますよ」

「なにが」

「———だって俺、いま戻ったんです」

「嘘つけ」

「ホントです」

「そうか、そうか。だけどさっき俺が言った言葉、あれは俺の本心。それだけよろしく」

「……」

「返事は?」

「———ありがとうございます」


率直な感想を言うならば、やっぱりオーナーってすごいなって思う。私にはいつからデンちゃんが起きていたのか、わからなかった。それにオーナーがさっき言った言葉って、どれを指しているのかもわからない。


「ショコちゃん」

「大丈夫? いつから起きてたの」


頭がまだぼんやりするのは確かなようで、こめかみを揉むデンちゃん。


「……んー、ピアノのあたり」


なるほど。結構前の話だ。
そういえばあのときあたりから、オーナーの口調が変わったような気もする。それじゃあオーナーは、ずっとデンちゃんが起きているのに気づいて会話を続けていたのだろうか。デンちゃんに聞かせるために。
















< 268 / 333 >

この作品をシェア

pagetop