ガラクタ♂♀狂想曲
side 隼人
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「志望動機ですか? 自己満足だと思います。じつは正直なところコレ!と思えるものは、まだ見つかっていないんです。ですがここに向かうとき——、いや、それより前。なんだか矢印が見えたんですよね。その通りに進んだら、また新しい矢印が見えました。これだけですと、かなりいい加減な理由かもしれませんが———」
帰国したはいいけれど、まずは職探し。
のらりくらりやっている場合ではないのである。
あっちでそれなりに功績を残した僕だけれど、それはここで通用するとは思えないし。
けど本当に矢印が見えたんだ。
「——僕は、約束だけは必ず守ります」
ずっと。
ずっと。
ずっと。
たぶん僕は、この約束を果たすためだけに頑張れたんだ。自分で自分をほめてあげたい気分だよ。ほんと。
「きっと、そのためにいまの僕があります。大袈裟ですけれど、その布石なんだと今日改めてそれを実感しました」
カッコイイことを口にしてしまった気分。だけど悪くない。
『…ねえデンちゃん? 私にもいつか、ピアノ聴かせてくれる?』
あのときの約束。頷きはしたものの、きちんと応えることができなかった。
"だけど弾くつもりがないって言ったら…、ショコちゃんはどうする? それでも俺がいつか弾きたいと思ったときのために約束する?"
思い出しても頭が痛くなる。自分がいった言葉なのに。
勢いだけで、すべてを捨てた僕。
なにもかもがしんどくて。考えることを放棄した。