ガラクタ♂♀狂想曲
いやはや、いやはや。だって瑠美ちゃんの生態が、かなり謎に包まれまれてしまったじゃない。
すっかりデンちゃんと同い年か、その辺だと思い込んでいたのに、まさか私より人生の先輩、というか女の先輩? もはや私の助言なんて、なんの得にもならないだろうと思う。というか、未知の世界?
「あー、これラスト1本だあ」
冷蔵庫を開けたデンちゃんは最後の1本を手に取り、軽く頭がクラクラしている私に向かってユラユラと振る。
「ショコちゃん、半分こしよっか?」
プッシュと栓が開く音。
デンちゃんはひと口それを飲んでから、私を見上げてきた。返事を待っているようだけれど、思考が纏まらない私。
「それとも、新しいの買いに行っちゃう?」
ついさっきまで、冷蔵庫で冷え冷えであっただろう缶をくいっと突き出してきた。はやく何か応えなければ——…
「え、ええっと。そのォ、どうしよっか?」
「行っちゃえ?」
私っていま、とんでもない人と一緒にいるんじゃないの、もしかして。
「………行っとく?」
「行っとけー!」
そして私の肩を抱いたデンちゃん。
「ぜーんぶ、俺が買う。今日はパーリナイ〜〜〜」
なんだかクラクラする頭のままコンビニへ一緒に向かった私たち。デンちゃんは終始、楽しそうだ。