ガラクタ♂♀狂想曲

「なんで水?」

「最初は水なんだって」

「——あ、そっか。おお、なんか温かくなってきた。ほらショコちゃんも、こっち」


そして裸んぼうのデンちゃんが、無邪気な顔して手を伸ばしてきた。


「ほらショコちゃん!!?」

「んーー」

「はやくうううっ」

「わかったよもー」


狭いバスルームにいい大人がふたり。吹っ切れたからか、お酒の力なのか、身体が温まってアルコールに支配されてしまったのか。だんだん楽しくて仕方がないテンションに。

きゃあきゃあ騒ぎながら、お互い体の洗いあいっこして泡まみれのままで湯船へダイブ。


「ショコちゃん、ナイッス」

「あはは」


デンちゃんの頭にはまだ泡がついていた。それを指で触れていると、


「————ねえショコちゃん?」

「んー?」


ぽたぽたと髪から雫を落とすデンちゃんと、至近距離なのに見つめう。

まっすぐな瞳。

目が離せずにいると、無言のまま、唇を合わせてきたデンちゃん。
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