ガラクタ♂♀狂想曲
「気分悪いとか? 大丈夫? ショコちゃん?」
布団に、うつ伏せた私。デンちゃんは私の顔を覗き込んでいるのか、息遣いが耳元に近く、背中を取り巻く空気がいつもと違う。
「……うー」
そしてバサッと勢いよく布団から顔を上げれば、やっぱりデンちゃんが私に覆いかぶさっていた。
「いってえ〜〜」
私の頭突きをモロにくらったデンちゃん。顎を手で押さえ驚いたように目を丸くした。
「ごめん」
「なに? どうしたの?」
「———大丈夫。治ってきた」
デンちゃんのは、自分から見えないところ。
キスマークがついてること、知ってるのかな。
なんだろう。このモヤモヤした気分。さらっと流せばいいものを。
きっといつもならそうしていたはずで、今日じゃなかったら笑い話にしていたかもしれないのに。なんかそんな気分になれない。
「ショコちゃん?」