ガラクタ♂♀狂想曲
私より4つ年下のデンちゃんは、自分のことを"デン"と呼んで欲しいといった。
正体不明だし、名前も教えてくれなかったデンちゃんは田舎者で。
追いかけて東京まで出てきたとか、いつも楽しそうに話していた瑠美ちゃんに、私は最初から勝てるはずがないと思っていた。
それじゃあ、どうして、こんな気分に。
瑠美ちゃんが、私よりさらに年上だと知ったから? それともアシカが原因?
私のことは"ちゃん"付けなのに、そんな年上の人を呼び捨てるから?
「ショコちゃーん」
違う。そうじゃない。
「デンちゃん嫌い。なんかもう、会いたくない」
「なんで? 急に?」
私が答えに困っているとタイミングよくデンちゃんの携帯がブー、ブー、と震えはじめた。
「携帯鳴ってるよ」
「いまショコちゃんと喋ってるじゃん」
「いいから出てよ」
「なに、どうした?」
「早く出てよ」