ガラクタ♂♀狂想曲

あれから出て行ったきりの、デンちゃん。アシカでも見に行っているのか。

それにしてはかなり長すぎだけれど、本場まで見に行ってるとか。——アシカの本場ってどこだろ。

まさかとは思うけど、例の彼氏からボコスコにヤられちゃって入院中とか。

——それともうまくいって、付き合っちゃった?


このまま会わないってのも、なんだか一生覚えていそうだし後味かなり悪い。だけどここまで連絡がないのなら、これから道端とかで偶然会っても、何を喋っていいのやら。

やっぱ無視かな。


きっとこういう別れ方のほうが、デンちゃんと私には向いていたと思うし。

デンちゃんの煙草の香りも、もう覚えていないし。
これでよかった。

だって女としてどうよって思う。名前も知らない、しかも想い人がいる男に抱かれて満足してただなんて。

しかもデンって。

いつ瑠美と呼ぶかともわからない男のエッチに満たされて、それでいいわけないじゃん。セックスマシーンじゃあるまいし。


「そうよ!」


あのままでよかったわけがない!

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