ガラクタ♂♀狂想曲
20歳。
大学三回生
田舎から出てきたデンちゃん。
ただいま、お悩み中。
「——だけど、ショコちゃんの話は参考になる」
「あっそ」
強気な態度を示したとしても、はっきりと言い切ってしまうほどの確固たる自信がないデンちゃんは、ゆっくりと長い息を吐き出した。そしてそれは、さっきまでのイラついた空気も一緒に吐き出され、一気に毒が抜ける合図。つまり簡単にいうとクズ男になる。
ようやく最近、それがわかった私。
「なんかさあ…、俺あいつのことになると、なんかダメだ。少し頭を冷やさないと」
歌舞伎町でホストをやっているデンちゃんは、ボソボソと情けない声でそう言った。
「ねえショコちゃん」
そしてズリズリと私のほうへ這うように近づいてくる。