ガラクタ♂♀狂想曲
「デンちゃん」
「ん」
だけどときどき、すうっと意識が引きずり戻されるかのような残り香がふわり鼻につく。そのたび、確かめるようにデンちゃんへキスを求めた。
交わる呼吸は徐々に短くなり、擦れる服の音をかき消していく。洩れ出てしまう声は、さらに淫らに揺れた。
私の一番敏感な部分に、ただデンちゃんの指が触れただけなのに。だけど私の身体はありえないほど反応し、ぎゅうっと昇りつめてくる痺れに身をよじる。
するとぴたりとそこで手を止めたデンちゃん、そしてくいっと私の耳元に口を寄せ——
「やばい」
低くかすれた感じの声で、そう囁く。
少しの不安が急に膨れ上がり、思わず呼吸を潜めてしまった私。
「俺の首に手を回して」
「———?」
わけがわからず返事に戸惑う。するとデンちゃんは私の両腕を自分の首へ絡めた。
「ベッドいこ」
そういってくすりと微笑み、私を抱きかかえベッドへ。
「だってショコちゃんも、その気になってるじゃん」
「———やー…、もう。下ろして」
だってなんか私、相当な淫乱みたい。
「ダメ。俺は嬉しい」
そして息が苦しくなるほど、少し乱暴に口づけてきたデンちゃん。だけどすぐにそれは、甘く痺れるような感覚に陥ってしまう。