ガラクタ♂♀狂想曲
「瑠美の彼氏が事故って」
「——いつ」
「あのあと、ぐらい」
「それで?」
「入院中なんだ」
「だから?」
「一緒に住んでる」
ついさっきまで、互いに猥らな息を吐き出していたとは思えない淡々とした会話。それに顔があまりにも近すぎて、デンちゃんの表情までよくわからない。
だからただ、その目の動きだけを見つめた。
「……デンちゃん」
私には無垢な目に見える。あんなにも熱い時間を過ごしたんだもの、そうあってほしい。デンちゃんは私のことを傷つけているつもりなど全くないんだろうとも思えた。
「その事故って、ちゃんとデンちゃんの目で、自分の目で確かめたの?」
するとデンちゃんの小さいため息が聞こえた。
構わず続ける。
「帰らないで」
「ショコちゃん…」
「デンちゃん私のこと、どう思ってる?」
私がそう言うと、考えているのか少し間を開けたデンちゃん。