ガラクタ♂♀狂想曲

「ごめんねデンちゃん」

「——なんで、ショコちゃんが謝る?」

「なんとなく」


だって私が言わないと、デンちゃんがそういいそうだったから先に言った。


「なんとなく——…って、」


するとデンちゃんはそう言って、ようやくふっと笑った。
だけどいまの笑ったのかな。

力が抜けたような感じ。


「俺が…、ごめん」


そして私の頬を手の甲ですっと撫でた。一瞬私が涙でも流しているのかと思ったけれど、どうやらそうでもないらしい。


「ごめん」

「謝らないで。私は、大丈夫だから」


"ごめん"か


まだ私、期待してた。
ほんの少しだけど。


「ショコちゃん」

「いいの。気にしないで」


ぷらぷら手を振った。


「ショコちゃん?」

「いいの、いいの」


もう4年も好きなんだもの、1ヶ月そこらの私がひょいっと勝てるわけがない。デンちゃんの頭の中は、いつも瑠美ばかり。

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