ガラクタ♂♀狂想曲

「違うんだって、ショコちゃん」

「私なら平気、大丈夫だってば」


だって最初からデンちゃんはずっと"瑠美話"をしていたし、私もそれを十分すぎるほど知っていた。

それでも身体を許したのは私。
このきっかけを作ったのも私。


「ショコちゃん!」

「………なによ」

「最後まで、ちゃんと聞いて」


このままズルズルいくぐらいなら、思いを告げてすっきりバイバイしたほうがいいのに。

それをわかってほしい。


「俺の"ごめん"は、ずっと辛い思いをさせて"ごめん"の、ごめん」

「で?」

「——え、ええっと」

「……」


これまで自分がヘンな人ばかりにぶつかっちゃうと思っていたけれど、よく考えれば私がボヤボヤ歩き過ぎていたのかも。


「私は言いたいことを言った。ここに泊まっていくも、帰るもデンちゃんに任せる。好きにすればいい」

「ショコちゃん」

「だけど残るなら、もうあっちには行かないで」


これで終わる。
幕が下りた。
ジ・エンド。

だけどこれごときで死ぬわけじゃないのだし、デンちゃんと言う小さな幕が下りただけ。これからはデンちゃんがうちへ来なくなってからの日を数えなくてすむ。


< 79 / 333 >

この作品をシェア

pagetop