ガラクタ♂♀狂想曲

「ショコちゃーん」


欠伸交じりのふわふわしたデンちゃんの声がとても甘く、それが私の耳をくすぐるかのよう。


「なに?」

「…——続きは、また明日」


見上げれば目を閉じたデンちゃんの顔が、すぐそこにあった。その息遣いが規則的に私の肌を撫でる。


「ショコちゃん」

「うん?」

「返事」

「明日もここに?」

「……んー、おやすみぃ」


元カレをやっつけてくれたデンちゃんは、私の用心棒になってくれるという。

用心棒デンちゃん。私の恋する人が、いま私の横に。


「おやすみ」













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