真っ白なキャンバス(仮)
「え!?」
恭平と綾乃が同時に振り返った。
「うちの屋上そこそこ広いから」
「屋上あんの?」
「青空見ながらギターくらいはできるかも」
自分で自分の発言に驚いてしまった。
人と関わることが嫌いな俺が自ら人を誘うなんて。
こうして俺は、初めて家に他人を呼ぶことになってしまったんだー。
「すげー!マジで屋上あんじゃん!!」
うちの屋上を見た2人が興奮気味に叫ぶ。
「狭いけど」
「十分でしょっ!普通、家に屋上なんてないよ」
血の繋がらない父親に与えられている一軒家。
俺は妹の望(のぞみ)と2人でこの家で暮らしている。
屋上つきの2階建て。
2人で暮らすには広すぎる家だ…。
「ここの部屋もいいなぁ~。ここ住みたい!」
綾乃は楽しそうに色んな部屋を見回している。
「たまになら来てもいいけど」
「マジで!?やったー。やったね恭平♪」
「お前ホント図々しいな」
「あ、でもあんまり物ないね。生活感がない」
「ああ。今、俺と妹だけだから」
「この家に2人で住んでんの!?海斗っておぼっちゃま?」
「いや、別にそういうワケじゃ…」
俺が中2の時、母親は3度目の結婚をした。
その相手は有名企業の社長、山下 定男だった。
そう、
真っ白なこの家は義父から母親へのプレゼントだったんだ。
この家で始めた新しい"家族"。
だけどそんな生活は1年半前、母の急死であっけなく幕を閉じた。
その後、義父はだんだんこの家に帰って来なくなった。
そりゃあ無理もないよな…
俺ら兄妹とは全く血が繋がってないんだから。
父親はついに数ヶ月前、仕事を理由に都心にマンションを借りた。
血の繋がらない俺たちとこれ以上暮らしていくのが嫌になったんだと思う。
恭平と綾乃が同時に振り返った。
「うちの屋上そこそこ広いから」
「屋上あんの?」
「青空見ながらギターくらいはできるかも」
自分で自分の発言に驚いてしまった。
人と関わることが嫌いな俺が自ら人を誘うなんて。
こうして俺は、初めて家に他人を呼ぶことになってしまったんだー。
「すげー!マジで屋上あんじゃん!!」
うちの屋上を見た2人が興奮気味に叫ぶ。
「狭いけど」
「十分でしょっ!普通、家に屋上なんてないよ」
血の繋がらない父親に与えられている一軒家。
俺は妹の望(のぞみ)と2人でこの家で暮らしている。
屋上つきの2階建て。
2人で暮らすには広すぎる家だ…。
「ここの部屋もいいなぁ~。ここ住みたい!」
綾乃は楽しそうに色んな部屋を見回している。
「たまになら来てもいいけど」
「マジで!?やったー。やったね恭平♪」
「お前ホント図々しいな」
「あ、でもあんまり物ないね。生活感がない」
「ああ。今、俺と妹だけだから」
「この家に2人で住んでんの!?海斗っておぼっちゃま?」
「いや、別にそういうワケじゃ…」
俺が中2の時、母親は3度目の結婚をした。
その相手は有名企業の社長、山下 定男だった。
そう、
真っ白なこの家は義父から母親へのプレゼントだったんだ。
この家で始めた新しい"家族"。
だけどそんな生活は1年半前、母の急死であっけなく幕を閉じた。
その後、義父はだんだんこの家に帰って来なくなった。
そりゃあ無理もないよな…
俺ら兄妹とは全く血が繋がってないんだから。
父親はついに数ヶ月前、仕事を理由に都心にマンションを借りた。
血の繋がらない俺たちとこれ以上暮らしていくのが嫌になったんだと思う。