牡丹町の先生
もう1度、自己紹介をしてみる。
千堂紬、23歳。
得意な事は空気を読むこと、苦手な事は自己主張。
好きなものは、読書と料理。興味があるのは家庭菜園。
嫌いなものは、タバコと香水。興味がないのは恋愛。
好きな色は緑、嫌いな色はピンク。
休日は家でゆっくり自分のやりたい事をやりたい派だし
煩い繁華街にはできるだけ出たくない。
長い爪も長い髪もハッキリ言って邪魔だし鬱陶しい。
将来の夢とか、やりたい事とか、小さい頃はあったような気もするけど大人になったら忘れちゃった。
ただ1つ分かるのは、
周りの環境と人に流れるように流されて生きてきた結果、
私、なんだか知らない人になっちゃったみたいです。
メイクを落としてルームウェアに着替え、ソファに倒れ込み読みかけのミステリー小説を手に取った。
昨日、すごくいいところで寝落ちしちゃったんだよね。
ぁあ、でも先にお風呂入ろうかな、髪がタバコ臭くて集中できないや。
「あ、そういえば」
この間買った宝クジの当選発表今日だったような。
言いたい事を言う。とか
やりたい事をやる。とか。
単純だけど難しい事だと思う。
少なくとも、人に合わせる事が癖の私にはとても難しい事だ。
そして、私はとてもつまらない人間だと思う。
毎日が退屈なのは自分のせいなのだと分かっている。
抜け出したい。
変えたい。
変わりたい。
願うだけで、行動に移すことの出来ない私はやっぱりつまらない人間だと思うし、
それが当たり前なのだとも思う。