月の海
月夜道
夜中 喉が渇いて目覚める。
カーテンの隙間から光が漏れていた
朝かな と思ってカーテンを開けたんだ
初めて見る月の光に口が開いた。
白い光の下に立ちたくて
私は服を着替えて外に出た。
「すごい…」
こんなに明るい夜なのに
誰もが眠っていて
不思議な感覚だった。
近くの公園のブランコに座り
月を眺める。
『なにしてんの』
「わっ」
急に話しかけられて
びっくりしてブランコを降りる
『高校生?あぶねえよ〜』
金髪の男の人が1人 立っていた
綺麗な顔をしていたんだ。
「すいません…」
頭を下げると
その人はその場に座って
おいで と手招きをした
私は恐る恐るその人に近づいた。
『今日の月は変だな』
横に座ると その人は言った
『胸がザワつくんだ』
横を見ると その人は
月をじっと眺めている。
「綺麗 ですね」
その人は 頷く
『君の名前は?』
月を眺めたまま私に聞く
怪しい人に名前教えるのは…
と躊躇してると その人は笑った
『変な人じゃねえから』
にっこりと笑い 私の顔を見る
片頬にえくぼが見える
「夜 です」
『ヨル。そっかあ 名前似てるなあ』
「貴方は?」
『俺は アレ』
ん と指さしたのは月
「ツキ?」
その人は首を振った
『ユエ』