お説教から始まる恋~キミとの距離は縦2メートル~
早速2階に上がろうと外階段に向かうと、1階の居室のベランダが目に入った。
莉那が借りた部屋のすぐ下の部屋だ。
洗濯機が置いてあるということは、誰か住んでいるらしい。
今は何も干してはいないが、ここに洗濯物を干すとなると、女性でなくても厳しいものがあるだろう。

手を伸ばせば、簡単に届いてしまうし。
下着泥棒も怖いが、引っ張って落とされたり、異臭のする液体をかけられたりしたらたまったもんじゃない。
そうでなくても、階段を使う時には必ず目に入る。
この家に住んでベランダを使うとなったら、よほど神経の図太い人じゃないと無理そうだ。

どんな人が住んでるんだろう。

おそらく、男性だろうな。
ベランダから簡単に侵入できそうな部屋だし、女性なら、夏場窓を開けて網戸にしておくのも怖いだろう。

そんなことを思いながら階段を上がると、玄関のある共用部分の窓に、ヤモリが数匹張り付いているのが見えた。網戸の外側とは言え、少し気持ちが悪い。



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