例えば危ない橋だったとして
同期の彼と思い掛けない夜
その橋
渡る?
渡らない?
人生は選択の連続だ。
まさかあんなことが起こるなんて。
秋の始まり、夜のとばりが降りて、風が冷たかったことを覚えている。
目を見開くわたしと、目の前には月明かりに照らされて、不敵な笑みを浮かべる美しい黒澤(くろさわ)くん。
翻るフレアスカートと、はためくスーツのジャケットの裾。
現実は、予想を上回る展開を見せる。
< 1 / 214 >