例えば危ない橋だったとして
ほぐれる

翌日の午前中、仕事をしながら思いを馳せた。
きっともうじき、黒澤くんのお母さんは骨になる……。
小さく嘆息を吐き、切ない気持ちに包まれる。

あの時、我を忘れて黒澤くんに言いたいことをぶつけてしまった。
冷静になった今思うと、大丈夫だっただろうか……?
彼女でも何でもないのに出しゃばってしまって……もしかしたら、黒澤くんのお父さんにも彼女だとか誤解されてしまったかもしれない。

……まぁ、起こってしまったことを今更あれこれ考えても仕方ない。
黒澤くんがわたしの言動をどう感じ取ったのかわからないが、どんな反応が来たとしても受け止めよう。
あの瞬間はそこまで考えていなかったけれど、あれじゃ告白したようなものだし。
遂にはっきりふられてしまうかもしれないな……そんな暗い未来を想像して、顔には寂しい微笑が浮かんだ。

それでもあの瞬間だけは、黒澤くんがわたしに心を開いてくれた気がした。
それだけでも、わたしにとっては大きな出来事だった。

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