例えば危ない橋だったとして
地下配線の設備構築は、線路だけではなく土木工事から始まるので、通常2ヶ月は要する。
道路を掘って設備を敷設する必要があり、道路の工事には警察の許可を取らなくてはならず、時間が掛かるのだ。
黒澤くんに相談すると、システムの画面を確認しながら指示をくれる。
「これは仕方ないから、営業さんに構築待ってもらうように連絡しておいて。この筧建設と、もうひとつ入ってたよね?」
「竿工務店」
「依頼元わかる?」
「うん、別々の部署だけど、調べたら確認出来た」
営業部門には各々連絡を行い、文句は垂れられたが設備構築に時間が掛かる旨は営業さんも重々承知しているので、お客様に了解を取ってもらうよう促した。
トラブルが一段落し、椅子にもたれて溜息を吐いた。
こういう不測の事態は、困るけれどとても勉強になる。
もっと経験を積んで、様々な事例に対処出来るようにならなければ。
ちゃんと自分の足で立っていられるように。