例えば危ない橋だったとして

電話の内容に若干不安が残ったので、黒澤くんに確認を取る。

地図のプロット位置を眺めながら、黒澤くんが答える。

「協力会社の誰に確認したのか、何メートルの移動なのか聞いておいた方がいい。少し電柱から距離があるかもしれないし。距離的に大丈夫なら今回は登録してしまって、設備構築が終わり次第乗せ変えるから、その時に登録を変更したら良いよ」
「……距離が遠かったら?」

「協力会社が確認してるなら、大丈夫だと思うけど念の為」


再度、田浦さんに連絡を取る。

『協力会社の施行担当の東條(とうじょう)さんに立ち会って貰いました。何メートルの移動かまでは把握してないので、直接確認して貰えないですかね』

今度は協力会社へ連絡を入れる。

「いつもお世話になっております、設備登録担当の榊と申します。東條様は……あ、外出中でいらっしゃいますか。お戻りは何時頃でしょうか……6時ですか……かしこまりました、また明日ご連絡させて頂きます」

確認は翌日へ持ち越しとなってしまい、肩を落とす。

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