マザコン彼氏の事情
「実はわたし、栗原くんって岡嶋さんの事が好きなんじゃないかと思っているんです」
「はぁ?」
予想外だった。
てっきりわたしは、真保ちゃんから実は彼の事が好きなんだと告白されるのかと思っていた。
栗原くんがわたしの事を好き?
「まさか~。それよりわたしは、真保ちゃんが彼の事を好きなんじゃないかって思ってたの」
「えっ?」
「そうなんじゃない?」
真保ちゃんは、しばらくの沈黙の後、こくりと頷いた。
「やっぱり」
「どうしてわかっちったんだろ」
「見てたらわかるわ。あなたが栗原くんを見る時の表情で」
「そっかー。バレてたかー。あ、でも、他の人には言わないで下さいね」
「オッケー」
「……だけど、彼を見てたらわかります。いつも岡嶋さんを見てるから」
「わたしは全然気づかなかったけどなー」
「それは、重見さん一筋だからですよ」
「まあね。わたしが好きなのは龍くん。だけど、真下さんが言ってた、栗原くんが好きな人って、絶対真保ちゃんだって」
「違いますよ。絶対岡嶋さんですって。あーあ。羨ましいです。岡嶋さん、モテ過ぎです」
そんな事言われても、わたしもこんなの初めての経験で戸惑ってる。
悪い気はしないけど、良い事があるとその後に何か悪い事が起きそうで何だか不安。
「どうかしましたか?」
「正直ちょっと怖いの」
「えっ?」
「今まであんまり良い人生じゃなかったから」
「だったら、これから良い人生送って下さい。まだ何年残ってると思ってるんですか? 年寄りみたいな事、言わなーい」
真保ちゃんの言う通りだ。
先の事を考えて不安になるより、今を楽しもう。
「お兄さん、ビールお代わりー」
いつの間に飲み干したのか、真保ちゃんは二杯目のビールを注文していた。
「焼き鳥も追加していいですか?」
「うん、どんどん食べよう」
わたしも二杯目のビールを注文した。
「はぁ?」
予想外だった。
てっきりわたしは、真保ちゃんから実は彼の事が好きなんだと告白されるのかと思っていた。
栗原くんがわたしの事を好き?
「まさか~。それよりわたしは、真保ちゃんが彼の事を好きなんじゃないかって思ってたの」
「えっ?」
「そうなんじゃない?」
真保ちゃんは、しばらくの沈黙の後、こくりと頷いた。
「やっぱり」
「どうしてわかっちったんだろ」
「見てたらわかるわ。あなたが栗原くんを見る時の表情で」
「そっかー。バレてたかー。あ、でも、他の人には言わないで下さいね」
「オッケー」
「……だけど、彼を見てたらわかります。いつも岡嶋さんを見てるから」
「わたしは全然気づかなかったけどなー」
「それは、重見さん一筋だからですよ」
「まあね。わたしが好きなのは龍くん。だけど、真下さんが言ってた、栗原くんが好きな人って、絶対真保ちゃんだって」
「違いますよ。絶対岡嶋さんですって。あーあ。羨ましいです。岡嶋さん、モテ過ぎです」
そんな事言われても、わたしもこんなの初めての経験で戸惑ってる。
悪い気はしないけど、良い事があるとその後に何か悪い事が起きそうで何だか不安。
「どうかしましたか?」
「正直ちょっと怖いの」
「えっ?」
「今まであんまり良い人生じゃなかったから」
「だったら、これから良い人生送って下さい。まだ何年残ってると思ってるんですか? 年寄りみたいな事、言わなーい」
真保ちゃんの言う通りだ。
先の事を考えて不安になるより、今を楽しもう。
「お兄さん、ビールお代わりー」
いつの間に飲み干したのか、真保ちゃんは二杯目のビールを注文していた。
「焼き鳥も追加していいですか?」
「うん、どんどん食べよう」
わたしも二杯目のビールを注文した。