マザコン彼氏の事情
「岡嶋さん、わたしもあなたの事大好きです。大丈夫。栗原くんの事で、あなたを嫌いになんかなりませんから。栗原くんも、わたしが好きって言ったからって、自分の気持ちを抑える必要はないから。あー気持ちを伝えられてすっきりした」
「吉田さん。ありがとうございます。これからも宜しくお願いします」
「こちらこそ」

 これで、いいのかな?
 本当に、これでいいのかな?

「さっ、食べましょう」

 真保ちゃんの態度が無理しているように見えるのはわたしの思い違い?
 栗原くんもいつも通りに真保ちゃんと話しているようには見えるけど、互いに思っている人は別にいる。
 それで、今までと変わらずやっていけるのかな?
 
 胸の深い部分に、不安が渦巻いている気がした。


 家に帰り、バッグからスマホを取り出すと、着信ランプが光っているのに気が付いた。
 見ると、龍くんからだった。

 くるみ、今日も一日お疲れさん。
 会社に戻ったらもう帰った後だったから、顔を見られず残念だったよ。
 もうそろそろ眠る頃かな?
 僕は今からご飯です。
 それじゃ、また明日。
 おやすみ、くるみ。

 今日の事、言った方がいいのかな?
 迷いながら返信する。

 お疲れ様です。
 今日も遅かったんだね。
 今日はわたし、真保ちゃんと栗原くんと三人で食事に行ったの。
 なので今帰って来ました。
 今からお風呂入って寝るね。
 おやすみ。
 また明日。

 送信……と。
 さて、お風呂お風呂。
 明日は仕事。
 早く寝なくちゃ。
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