マザコン彼氏の事情
数人の社員が缶コーヒーを飲みながら談笑している。
終業後の社員食堂。
十八時半まで仕事をしていたけど、それ以上する事が無くなり、ここで龍くんを待つ事になった。
さっきメールが来て、十九時迄には戻ると連絡があった。
真保ちゃんも先に帰ってしまい、窓側の席にぽつんと一人。
何だか寂しい。
「くるみ!」
声のする方に目を向けると、入り口近くで片手を上げてる龍くんが見えた。
さっと立ち上がりそこへ向かう。
嬉しくて、つい走ってしまった。
「お帰りなさい」
「ごめん、遅くなって」
「ううん。大丈夫」
「それじゃ、行こうか」
「うん」
彼に連れて行かれたのは、駅前の小さな路地を入った所の小料理屋だった。
暖簾をくぐり、店内に入ると綺麗な女将さんが出迎えてくれた。
「いらっしゃい。あら重見くん、久しぶりね」
「ご無沙汰してます」
龍くん、女将さんと知り合いなんだ。
「静子さん、紹介するよ。僕の彼女のくるみです」
「まあ、可愛い彼女さんね。初めまして。女将の静子です」
「初めまして。岡嶋くるみと申します」
「奥の座敷使う?」
「空いてるの?」
「ええ。今日は予約入ってないから大丈夫よ」
「それじゃくるみ、奥に行こう」
「うん」
障子を開けると、四畳ほどの和室が現れた。
中央にテーブルがあり、木の座椅子が四つ置かれている。
彼に促され、そのうちのひとつに腰掛けた。
「失礼します」
女将さんが温かいおしぼりを持ってやって来た。
「何にする?」
「とりあえずビール。くるみは?」
「わたしも同じ物で」
「はい。すぐお持ちします」
女将さんが障子を閉め、再び二人の空間になった。
終業後の社員食堂。
十八時半まで仕事をしていたけど、それ以上する事が無くなり、ここで龍くんを待つ事になった。
さっきメールが来て、十九時迄には戻ると連絡があった。
真保ちゃんも先に帰ってしまい、窓側の席にぽつんと一人。
何だか寂しい。
「くるみ!」
声のする方に目を向けると、入り口近くで片手を上げてる龍くんが見えた。
さっと立ち上がりそこへ向かう。
嬉しくて、つい走ってしまった。
「お帰りなさい」
「ごめん、遅くなって」
「ううん。大丈夫」
「それじゃ、行こうか」
「うん」
彼に連れて行かれたのは、駅前の小さな路地を入った所の小料理屋だった。
暖簾をくぐり、店内に入ると綺麗な女将さんが出迎えてくれた。
「いらっしゃい。あら重見くん、久しぶりね」
「ご無沙汰してます」
龍くん、女将さんと知り合いなんだ。
「静子さん、紹介するよ。僕の彼女のくるみです」
「まあ、可愛い彼女さんね。初めまして。女将の静子です」
「初めまして。岡嶋くるみと申します」
「奥の座敷使う?」
「空いてるの?」
「ええ。今日は予約入ってないから大丈夫よ」
「それじゃくるみ、奥に行こう」
「うん」
障子を開けると、四畳ほどの和室が現れた。
中央にテーブルがあり、木の座椅子が四つ置かれている。
彼に促され、そのうちのひとつに腰掛けた。
「失礼します」
女将さんが温かいおしぼりを持ってやって来た。
「何にする?」
「とりあえずビール。くるみは?」
「わたしも同じ物で」
「はい。すぐお持ちします」
女将さんが障子を閉め、再び二人の空間になった。