マザコン彼氏の事情
 それから1時間半ほど食事をし、いろんな話をして、最後にわたしはデートを申し込んだ。

「龍くん、明後日空いてる? どこかに出掛けない?」
「ごめん。日曜日は母さんと買い物の約束をしてるんだ」
「そっか。なら仕方ないね」
「その次の日曜日ならいいよ」
「本当?」

 それでもいい。
 一週間なんてあっという間よ。
 そう。
 その日を楽しみに、明後日は一人で街でもぶらつこう。


 土曜日。
 朝から雨だった。
 夕べは龍くんが家の前まで送ってくれた。
 今日は朝早くからお客さんの所に行く予定があるからと、そのまま別れた。
 本当はね。
 また家に上がって欲しかった。
 そしたら今度は……。

「あー、今日は家の片付けに専念するか」

 雨の中を出掛ける気にもなれず、一日を家の中で過ごした。
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