マザコン彼氏の事情
以前、テレビで紹介されてるのを見て楽しそうと思っていた。
まあ、実際に使ってる家庭はあるのかと疑問に思ってたけど、居ました。
はい、ここに。
でも、楽しい。
すっかりハマりそうです。
昼食の後、わたしは龍くんの部屋に案内された。
なぜかお母さんもニコニコ顔でついて来る。
「母さん、少しはくるみと二人っきりにさせてよ」
「あら、わたしとした事が。ごめんなさい」
そう言って去って行くお母さん。
ごめんなさい。
わたしもちょっと龍くんと二人になりたかったかも。
「ごめんね」
「ううん。龍くんのお母さん、とっても素敵な人」
「そう? そう言ってくれると嬉しいよ」
龍くんの部屋は、玄関から一番遠い所にあって、窓からは横を流れている小さな川が見えた。
うちみたいに、ベランダの前にすぐ隣のマンションという事がないのが羨ましい。
「川が流れているんだね」
「普段はいいけど、大雨の時は氾濫するんじゃないかとハラハラするんだ」
「え、した事あるの?」
「ずいぶん昔にね。でも、河川工事で掘り下げてあるから、僕がここに住み出してからは一度もないよ」
「そうなんだ」
窓辺から離れ、龍くんに促されてベッドに並んで腰掛ける。
彼から肩を抱かれ、甘いキス。
覚悟を決めたのもつかの間、それ以上の進展は無く、後はいろんな話をしただけだった。
だよね。
お母さんもいるし、真昼間だもん。
先走った事を恥ずかしく思った。
「そろそろリビングに戻ろうか。たぶん何かデザート用意してくれてると思う。母さん、昔から三時のおやつは手作りなんだ」
「羨ましい。うちの母は、そういうのは滅多にしない人だったから」
「うちも今は作らないよ。もう息子はいい年だしね。だけど夕べ、くるみに何か食べさせたいって張り切ってたから」
もぉ、嬉し過ぎ。
お母さんに甘えたくなっちゃう。
母が亡くなって、ずっと母の代わりにをしてたから、甘える事なんか忘れてた。
リビングに行くと、甘い良いにおいが漂っていた。
「もう少し待ってね。今、シフォンケーキを焼いてるから」
「嬉しい。わたし大好きです、シフォンケーキ」
「良かった」
まあ、実際に使ってる家庭はあるのかと疑問に思ってたけど、居ました。
はい、ここに。
でも、楽しい。
すっかりハマりそうです。
昼食の後、わたしは龍くんの部屋に案内された。
なぜかお母さんもニコニコ顔でついて来る。
「母さん、少しはくるみと二人っきりにさせてよ」
「あら、わたしとした事が。ごめんなさい」
そう言って去って行くお母さん。
ごめんなさい。
わたしもちょっと龍くんと二人になりたかったかも。
「ごめんね」
「ううん。龍くんのお母さん、とっても素敵な人」
「そう? そう言ってくれると嬉しいよ」
龍くんの部屋は、玄関から一番遠い所にあって、窓からは横を流れている小さな川が見えた。
うちみたいに、ベランダの前にすぐ隣のマンションという事がないのが羨ましい。
「川が流れているんだね」
「普段はいいけど、大雨の時は氾濫するんじゃないかとハラハラするんだ」
「え、した事あるの?」
「ずいぶん昔にね。でも、河川工事で掘り下げてあるから、僕がここに住み出してからは一度もないよ」
「そうなんだ」
窓辺から離れ、龍くんに促されてベッドに並んで腰掛ける。
彼から肩を抱かれ、甘いキス。
覚悟を決めたのもつかの間、それ以上の進展は無く、後はいろんな話をしただけだった。
だよね。
お母さんもいるし、真昼間だもん。
先走った事を恥ずかしく思った。
「そろそろリビングに戻ろうか。たぶん何かデザート用意してくれてると思う。母さん、昔から三時のおやつは手作りなんだ」
「羨ましい。うちの母は、そういうのは滅多にしない人だったから」
「うちも今は作らないよ。もう息子はいい年だしね。だけど夕べ、くるみに何か食べさせたいって張り切ってたから」
もぉ、嬉し過ぎ。
お母さんに甘えたくなっちゃう。
母が亡くなって、ずっと母の代わりにをしてたから、甘える事なんか忘れてた。
リビングに行くと、甘い良いにおいが漂っていた。
「もう少し待ってね。今、シフォンケーキを焼いてるから」
「嬉しい。わたし大好きです、シフォンケーキ」
「良かった」