マザコン彼氏の事情
今日は、会社の筋向いの天翔。
真保ちゃんとも初めて連れてって貰って以来、三回は来ている。
最近真保ちゃんは、栗原くんとも来たそうだ。
まだ付き合ってるわけじゃないけど、かなり良い感じに見える。
「お疲れ」
「お疲れさま」
ビールで乾杯。
テーブルには焼き鳥の盛り合わせが届いた。
「頂きまーす」
美味しそうに頬張るわたしを見て、龍くんもつくねに手を伸ばした。
「美味しいね」
「うん」
炭焼きの店内は、立ちのぼった煙で霞んでいる。
美味しそうな匂いが充満して、より一層食欲が増す。
「くるみはいつでも美味しそうに食べるね」
「だって、本当に美味しいんだもん」
彼とはお母さんの話もした。
口が裂けても言えないあの秘め事を除いて。
わりと正直なわたしは、ボロが出はしないかと内心とてもハラハラしていた。
「そうだ。母が今度の日曜日に家においでって言ってた」
「知ってる。LINEでもう約束済みだから」
「おいおい、いつの間にそんなに親密になってるの?」
「うん? 結構前からよ」
「本当に仲が良いよね、くるみ達」
ちょっぴり呆れ顔。
でも嬉しそうな龍くんだった。
本当の母が居ないからかもしれない。
龍くんのお母さんがあったかく包んでくれるからかもしれない。
とにかく、龍くんのお母さんが大好きだった。
「ねえ、くるみのお父さんってどんな人?」
「そうねぇ……」
そう言えば、父について語った事は無かった。
一言でいえば、ちょっぴり頑固。
真面目が作業着着て歩いているような人で、電気工事会社でエンジニアをしている。
結婚した時からその仕事一筋の大ベテラン。
あと何年かしたら退職になるので、後輩の育成にも力を注いでいるらしい。
だけど、融通の利かない父から指導を受ける後輩は、ちょっと可哀想な気がする。
まあ、わたしの勝手な想像だけど。
真保ちゃんとも初めて連れてって貰って以来、三回は来ている。
最近真保ちゃんは、栗原くんとも来たそうだ。
まだ付き合ってるわけじゃないけど、かなり良い感じに見える。
「お疲れ」
「お疲れさま」
ビールで乾杯。
テーブルには焼き鳥の盛り合わせが届いた。
「頂きまーす」
美味しそうに頬張るわたしを見て、龍くんもつくねに手を伸ばした。
「美味しいね」
「うん」
炭焼きの店内は、立ちのぼった煙で霞んでいる。
美味しそうな匂いが充満して、より一層食欲が増す。
「くるみはいつでも美味しそうに食べるね」
「だって、本当に美味しいんだもん」
彼とはお母さんの話もした。
口が裂けても言えないあの秘め事を除いて。
わりと正直なわたしは、ボロが出はしないかと内心とてもハラハラしていた。
「そうだ。母が今度の日曜日に家においでって言ってた」
「知ってる。LINEでもう約束済みだから」
「おいおい、いつの間にそんなに親密になってるの?」
「うん? 結構前からよ」
「本当に仲が良いよね、くるみ達」
ちょっぴり呆れ顔。
でも嬉しそうな龍くんだった。
本当の母が居ないからかもしれない。
龍くんのお母さんがあったかく包んでくれるからかもしれない。
とにかく、龍くんのお母さんが大好きだった。
「ねえ、くるみのお父さんってどんな人?」
「そうねぇ……」
そう言えば、父について語った事は無かった。
一言でいえば、ちょっぴり頑固。
真面目が作業着着て歩いているような人で、電気工事会社でエンジニアをしている。
結婚した時からその仕事一筋の大ベテラン。
あと何年かしたら退職になるので、後輩の育成にも力を注いでいるらしい。
だけど、融通の利かない父から指導を受ける後輩は、ちょっと可哀想な気がする。
まあ、わたしの勝手な想像だけど。