マザコン彼氏の事情
宿に戻ったのは十八時前。
それからお風呂に入り、浴衣姿で再び大広間へ。
と言っても小さな老舗旅館。
二十人入ったら一杯になる位の部屋だ。
真保ちゃんと並んで座る。
真保ちゃんの前には栗原くん、わたしの前には真下さんが座っていた。
龍くんは……と探した先で、目が合って思わず逸らした。
間に五人ほどいるので、話をする事はなさそうだ。
「美味しい」
盛り付けも綺麗な料理に舌鼓を打っている間に、龍くんの事が頭から飛んでいた。
美味しい料理があって良かった。
「それにしても岡嶋ちゃんって何でも美味しそうに食べるよね?」
「よく言われます」
「そんだけ食べて太らないんだから不思議だよ」
真下さんは、食べたら食べただけすぐ反映されるらしい。
特にお腹に。
そう言えば、お腹がちょっぴりプーさんみたいになってる。
一時間半ほどで宴会も終わり、後は自由行動。
一緒に行くと言った真保ちゃんを栗原くんに託し、わたしは真下さんと宿を出た。
食事の時のお酒が回って、足取りはフワフワしてたけど、がっちりした真下さんの腕につかまり、近くのバーに入った。
観光客とおぼしき数名のカップルが居た。
「真下さーん、わたし達もカップルに見えますかねぇ~?」
「見えるんじゃない? どう良かったらこれを機に付き合わない?」
「それは遠慮しときます」
「やっぱり?」
それ以上絡んで来ないところが真下さんの良い所。
しつこい人だったらこうして二人っきりでなんか飲みに来ないよ。
「岡嶋ちゃん、もう結構酔ってる?」
「みたいで~す」
「だろうな。足がふらついてたもんな」
「帰り、お姫様抱っこして下さいよ」
「え~、そんな事したら、俺の部屋にお持ち帰りしちゃうよ」
「あ~、ダメダメ。ちゃんとわたしの部屋まで送って下さいね」
「わかったよ」
「えーっと、次何飲もうかな~」
ぼーっとなった感じが気持ち良い。
明日の朝どうなってもいいから、今はもっと酔いたかった。
それからお風呂に入り、浴衣姿で再び大広間へ。
と言っても小さな老舗旅館。
二十人入ったら一杯になる位の部屋だ。
真保ちゃんと並んで座る。
真保ちゃんの前には栗原くん、わたしの前には真下さんが座っていた。
龍くんは……と探した先で、目が合って思わず逸らした。
間に五人ほどいるので、話をする事はなさそうだ。
「美味しい」
盛り付けも綺麗な料理に舌鼓を打っている間に、龍くんの事が頭から飛んでいた。
美味しい料理があって良かった。
「それにしても岡嶋ちゃんって何でも美味しそうに食べるよね?」
「よく言われます」
「そんだけ食べて太らないんだから不思議だよ」
真下さんは、食べたら食べただけすぐ反映されるらしい。
特にお腹に。
そう言えば、お腹がちょっぴりプーさんみたいになってる。
一時間半ほどで宴会も終わり、後は自由行動。
一緒に行くと言った真保ちゃんを栗原くんに託し、わたしは真下さんと宿を出た。
食事の時のお酒が回って、足取りはフワフワしてたけど、がっちりした真下さんの腕につかまり、近くのバーに入った。
観光客とおぼしき数名のカップルが居た。
「真下さーん、わたし達もカップルに見えますかねぇ~?」
「見えるんじゃない? どう良かったらこれを機に付き合わない?」
「それは遠慮しときます」
「やっぱり?」
それ以上絡んで来ないところが真下さんの良い所。
しつこい人だったらこうして二人っきりでなんか飲みに来ないよ。
「岡嶋ちゃん、もう結構酔ってる?」
「みたいで~す」
「だろうな。足がふらついてたもんな」
「帰り、お姫様抱っこして下さいよ」
「え~、そんな事したら、俺の部屋にお持ち帰りしちゃうよ」
「あ~、ダメダメ。ちゃんとわたしの部屋まで送って下さいね」
「わかったよ」
「えーっと、次何飲もうかな~」
ぼーっとなった感じが気持ち良い。
明日の朝どうなってもいいから、今はもっと酔いたかった。