マザコン彼氏の事情
 うん?
 目を開けると、外が明るくなっていた。
 あれっ?
 真保ちゃん戻って来てたんだ。
 隣のふとんがゆっくりと上下している。
 
 うっ。
 気持ち悪い……
 完全な二日酔い。
 夕べどれだけ飲んだのかわからない。
 真下さん、ここまで連れて来てくれたのかな。
 歩いて戻った記憶もまったく無かった。

 動けない。
 もう少し、このまま横たわっていよう。

 真保ちゃんがもぞもぞ動く。

「真保ちゃん、起きた?」

 布団にもぐっていた彼女が顔を出した。
 えっ!!

 慌てて飛び起きる。
 やばっ。
 
 くらくらして気を失いそうになった。

「大丈夫か?」

 倒れるわたしを支えてくれたのは、龍くんだった。
 どうしてここに?
 それより気持ち悪い……

「くるみ、どれだけ飲んだんだよ」
「……」

 話しも出来ない。
 とにかくこの気持ちの悪さ、誰か助けて。

 龍くんが持って来てくれた水を、前に真保ちゃんが二日酔いになった時に龍くんが渡していた薬と一緒に飲んだ。
 冷たい水が気持ちの悪さを若干忘れさせてくれた。

「飲むのはいいが、ほどほどにしろよ。真下さんがくるみをおんぶして戻って来たのを見た時はどうしようかと思ったよ」

 やっぱり真下さん、わたしを連れて帰ってくれたんだ。

「くるみ、丁度僕が居合わせなかったら、真下さんの部屋に連れ込まれるとこだったんだぞ」
「えっ?」
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