マザコン彼氏の事情
どう言う事?
わたしを連れた真下さんは、そのまま自分の部屋に入ろうとしていたらしい。
それを見た龍くんは、
「真下さん、くるみをどうするつもりですか?」
「お前には関係ないだろ? もう彼氏じゃないんだから」
「くるみ、あなたと付き合うって言ったんですか?」
「……」
「言ってないんですね? だったら止めて下さい。僕が部屋まで届けます」
というくだりがあって、真下さんからわたしを奪うように引き離し、部屋まで連れて来てくれたらしい。
「軽率だ」
「えっ?」
「相手は男なんだぞ。そのまま手放すはずが無いじゃないか」
「そんな事無い。真下さんは、そんな人じゃないわ」
「甘いよ……」
「だったらあなたは何よ。どうしてここで寝てるのよ。まさか、わたしを襲ったりしてないわよね?」
「当たり前だろ」
「だったら真下さんだって同じよ。部屋に連れて行ったかもしれないけど、一緒に横に寝てくれただけよ」
薬が効いて来るにはまだ早すぎる。
だったら、怒りのせい?
さっきまでの気分の悪さが薄らいでいた。
「真下さんは、僕とは違う」
「どう違うのよ!」
トントン。
ノックする音がして、顔を出したのは真下さんだった。
「真下さん……」
「ごめん。話を聞いてしまった。夕べ、お持ち帰りしようと思ったのは本当だよ」
「えっ?」
「重見のせいで、岡嶋ちゃんが苦しんでいるのがわかったから。だから俺が開放してやりたかった。下心があったのは認める。だけど、岡嶋ちゃんの事が好きなんだ」
「真下さん……」
「いつも相手にしてもらえないけど、俺は岡嶋ちゃんの事が好きだから」
「……」
「って言っても、もう嫌われたよね? ごめん」
「……いいんです。真下さんとはこれからも今まで通りの関係がいいんです」
「だよね。そっちの方が楽しくしゃべれるしね」
「はい」
「ところで重見、何でお前がここで寝てる? お前こそ岡嶋ちゃんに何かしたんじゃないだろうな? 元彼氏とは言え、何かあったらこの俺が許さんぞ」
「何もありませんよ」
「絶対だな?」
「はい」
わたしを連れた真下さんは、そのまま自分の部屋に入ろうとしていたらしい。
それを見た龍くんは、
「真下さん、くるみをどうするつもりですか?」
「お前には関係ないだろ? もう彼氏じゃないんだから」
「くるみ、あなたと付き合うって言ったんですか?」
「……」
「言ってないんですね? だったら止めて下さい。僕が部屋まで届けます」
というくだりがあって、真下さんからわたしを奪うように引き離し、部屋まで連れて来てくれたらしい。
「軽率だ」
「えっ?」
「相手は男なんだぞ。そのまま手放すはずが無いじゃないか」
「そんな事無い。真下さんは、そんな人じゃないわ」
「甘いよ……」
「だったらあなたは何よ。どうしてここで寝てるのよ。まさか、わたしを襲ったりしてないわよね?」
「当たり前だろ」
「だったら真下さんだって同じよ。部屋に連れて行ったかもしれないけど、一緒に横に寝てくれただけよ」
薬が効いて来るにはまだ早すぎる。
だったら、怒りのせい?
さっきまでの気分の悪さが薄らいでいた。
「真下さんは、僕とは違う」
「どう違うのよ!」
トントン。
ノックする音がして、顔を出したのは真下さんだった。
「真下さん……」
「ごめん。話を聞いてしまった。夕べ、お持ち帰りしようと思ったのは本当だよ」
「えっ?」
「重見のせいで、岡嶋ちゃんが苦しんでいるのがわかったから。だから俺が開放してやりたかった。下心があったのは認める。だけど、岡嶋ちゃんの事が好きなんだ」
「真下さん……」
「いつも相手にしてもらえないけど、俺は岡嶋ちゃんの事が好きだから」
「……」
「って言っても、もう嫌われたよね? ごめん」
「……いいんです。真下さんとはこれからも今まで通りの関係がいいんです」
「だよね。そっちの方が楽しくしゃべれるしね」
「はい」
「ところで重見、何でお前がここで寝てる? お前こそ岡嶋ちゃんに何かしたんじゃないだろうな? 元彼氏とは言え、何かあったらこの俺が許さんぞ」
「何もありませんよ」
「絶対だな?」
「はい」