マザコン彼氏の事情
今日は手抜き。
夕べ作った野菜炒めの残りをご飯の上に乗っけただけ。
口に運んで加えた時だった。
目の前の席に、龍くんが腰掛けた。
「一人?」
「うん。真保ちゃん、栗原くんと食べて来るって」
「あの二人、上手くいってるんだね」
「そうみたいね」
このお弁当、見られたく無かったなぁ。
「あれっ? 何か買って来たの?」
「ああ、久しぶりにここで食べようと思って」
「そう。昼休みに戻って来るのって珍しいよね」
「まあね」
龍くんと二人で食事。
一体いつ振りだろう。
天翔に行ったのが最後だったかな。
「温泉の話、母さんも楽しみにしてるよ」
「良かった」
「僕も、楽しみにしてる」
「えっ?」
そんな事言われると、また気持ちが揺れちゃうよ。
最後だから、そう言ってくれてるんだよね。
一月十日。
温泉旅行当日の朝を迎えた。
龍くんのお父さんの車で、運転はもちろん龍くん。
後部座席にお母さんと二人で座った。
「くるみちゃん、今日はありがとうね。本当に首が長くなるほど待ち遠しかったわ」
「お母さん……」
「宿に着いたら、わたし、重大発表があるの」
「えっ? 何?」
「まだ内緒」
もしかして、龍くんの家系はサプライズ好き?
お母さんの浮き浮きした顔を見る限り、良い知らせだという事は推測出来た。
「龍くんも知らないの?」
「ああ」
夕べ作った野菜炒めの残りをご飯の上に乗っけただけ。
口に運んで加えた時だった。
目の前の席に、龍くんが腰掛けた。
「一人?」
「うん。真保ちゃん、栗原くんと食べて来るって」
「あの二人、上手くいってるんだね」
「そうみたいね」
このお弁当、見られたく無かったなぁ。
「あれっ? 何か買って来たの?」
「ああ、久しぶりにここで食べようと思って」
「そう。昼休みに戻って来るのって珍しいよね」
「まあね」
龍くんと二人で食事。
一体いつ振りだろう。
天翔に行ったのが最後だったかな。
「温泉の話、母さんも楽しみにしてるよ」
「良かった」
「僕も、楽しみにしてる」
「えっ?」
そんな事言われると、また気持ちが揺れちゃうよ。
最後だから、そう言ってくれてるんだよね。
一月十日。
温泉旅行当日の朝を迎えた。
龍くんのお父さんの車で、運転はもちろん龍くん。
後部座席にお母さんと二人で座った。
「くるみちゃん、今日はありがとうね。本当に首が長くなるほど待ち遠しかったわ」
「お母さん……」
「宿に着いたら、わたし、重大発表があるの」
「えっ? 何?」
「まだ内緒」
もしかして、龍くんの家系はサプライズ好き?
お母さんの浮き浮きした顔を見る限り、良い知らせだという事は推測出来た。
「龍くんも知らないの?」
「ああ」