マザコン彼氏の事情
月の光が水面に落ちて、手を動かすたびに崩れてはまたすぐにその姿を現した。
「くるみちゃん、ありがとうね」
「ううん。こちらこそ一緒に来てくれてありがとう」
「気持ち良いわー」
「本当」
部屋に戻るとお布団が敷いてあった。
お母さんと二人。
並んでここで寝る。
「あ、くるみちゃん先に寝ててくれる?」
「えっ? お母さんは?」
「ちょっとお隣に」
「……行ってらっしゃい」
ごめんね、お母さん。やっぱりお父さんと一緒が良かったよね。
しばらくして、扉が開く音がした。
お母さん、帰って来た。
部屋の襖が開くと、そこに浴衣姿の龍くんが立っていた。
「えっ? 何で? お母さんは?」
「親父と一緒に寝たいからって追い払われた」
バツが悪そうに頭の後ろを掻く龍くん。
どうしよう。
ダメだって言ったら龍くんの寝る所は無いし。
仕方ない。
「いいよ。お母さんのお布団に入って」
「悪いな」
ぴったりと寄せて敷かれているお布団。
今更離すのも変だし、疲れているからお互いすぐ寝ちゃうよね?
と思ったけど違った。
隣に龍くんが居ると思うだけで、目が冴えちゃって寝られない。
ぎゅっと瞑ってみるけどダメだった。
反対方向に寝返りを打った。
龍くん、もう寝ちゃったかな?
「くるみ、もう寝た?」
ドキッとした。
寝るわけない。
寝れるわけがない。
「ううん、まだだけど、どうかした?」
「くるみちゃん、ありがとうね」
「ううん。こちらこそ一緒に来てくれてありがとう」
「気持ち良いわー」
「本当」
部屋に戻るとお布団が敷いてあった。
お母さんと二人。
並んでここで寝る。
「あ、くるみちゃん先に寝ててくれる?」
「えっ? お母さんは?」
「ちょっとお隣に」
「……行ってらっしゃい」
ごめんね、お母さん。やっぱりお父さんと一緒が良かったよね。
しばらくして、扉が開く音がした。
お母さん、帰って来た。
部屋の襖が開くと、そこに浴衣姿の龍くんが立っていた。
「えっ? 何で? お母さんは?」
「親父と一緒に寝たいからって追い払われた」
バツが悪そうに頭の後ろを掻く龍くん。
どうしよう。
ダメだって言ったら龍くんの寝る所は無いし。
仕方ない。
「いいよ。お母さんのお布団に入って」
「悪いな」
ぴったりと寄せて敷かれているお布団。
今更離すのも変だし、疲れているからお互いすぐ寝ちゃうよね?
と思ったけど違った。
隣に龍くんが居ると思うだけで、目が冴えちゃって寝られない。
ぎゅっと瞑ってみるけどダメだった。
反対方向に寝返りを打った。
龍くん、もう寝ちゃったかな?
「くるみ、もう寝た?」
ドキッとした。
寝るわけない。
寝れるわけがない。
「ううん、まだだけど、どうかした?」