まるい顔がすき!
もう17時半か...


私は、教室の後ろに飾られている花に水をあげた。

前、少し元気がなさそうだったから。勝手に毎日水をあげてる。


さ、そろそろ家に帰ろうかな。

...ん?美咲、鏡置いて帰ってるじゃん。

この前「新しく買ったー!可愛くない?!」とか言って私に自慢してきたのに。そんなに彼氏が大切なの?!


と、美咲に彼氏がいることを妬みながらも、私は美咲の鏡を覗きこんだ。

周りに人がいないことを確認し、そっと、頬の横の髪を上げてみる...


ま...


丸い!丸すぎる!!!

ここまで丸いと、もはや謎!ミステリー!


慣れない手つきで、お団子を作ってみる。

誰も見てないはずなのに、すごく恥ずかしい気がしてきた。


「で...できたー!っと」


小さな声で完成発表!

丸いです!お団子が2つあるようです!!


...やっぱり、お祭りは貞子ヘアで行こう。


顔の横に髪があるほうが落ち着くし、安全だ。

誰かにからかわれて、傷つくよりも貞子でいる方がマシ。



「へーぇ、古賀さん可愛いじゃん」



「え~本当に?髪あげて可愛いとか初めて言われ...っていうか、誰。」



やばい。完全に油断した。



教室の後ろのドアから誰かが入ってきてこの状況を見ていたらしい。



ど...



どうすればいいの?!?!



落ち着け、落ち着け私。

確か、声の主は男性だった。低く優しい声。誰だ?どうしよう後ろを振り向けない怖い!!誰が後ろに?!



「可愛い。俺、その髪型好きだよ」



...え?好き?
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