まるい顔がすき!
ハァ...ハァハァ...
つ、着いた...!ギリギリセーフ!!
遅刻ギリギリの私は、教室のドアを急いで開けた。
「紗綾!遅刻なんて珍しいじゃ...え?さあやがポニーテール?」
美咲がびっくりしてこちらを見ている。
「美咲おはよ...ハァハァ...そ、そうなの!たまにはイメチェンしてみようかなー!って...なんちゃって...ははっ」
そっか。私今日ポニーテールしてたんだ。瀬原くんの言葉に踊らされて、ポニーテールしてた...
急に、恥ずかしくなってきた。
なにやってんだろ...私。
私は、髪ゴムを思いっきり引っ張って外した。
「えっ、なんで外しちゃうの?似合ってたのに!」
「えー似合ってた?!あはは、間違えて外しちゃったよ~。惜しいことしちゃったな、また今度ヘアアレンジしてこよーっと」
急に、本当に急に、自信がなくなった。
さっきまでの自信が嘘みたいに、無い。
時間が経つと共に...瀬原くんが褒めてくれた時間から時が過ぎる程に。またいつもの私に戻ったみたい。
それだけ、私の中で瀬原くんの影響力は大きかった。会って、今すぐ話したい。また、可愛いって言ってほしい。
会いたい。瀬原くんに会いたいよ。
...私、好きなのかもしれない。
「紗綾、どうしちゃったの?まだ寝ぼけてる?」
美咲が心配そうに聞いてきた。
「寝ぼけてる...そ、そうかも!なんか昨日寝れなくてさ~!」
私は必死に大きなあくびをするフリをした。
「紗綾...昨日、何かあった?」
うっ...さすが美咲、勘が鋭いな。
美咲はいつも、私の小さな変化に敏感で。その敏感さの中に私のことを気にしてくれてる配慮が見えるから、嬉しいんだけど。
「き、昨日?特になにも無かったよ~あはは」
「はい、ダウト。本当のこと話してよ。私たち、親友でしょ?」
美咲になら、話してもいいかも。と思えた。