好きが涙に変わって溢れてく。

ハッとして足を止める。


何してるんだろう。これじゃあ誤解を招いているだけじゃない。



すぐに否定しようとしたけれど、隣には楽しそうに私の顔を覗き込む魁の姿。


ここですんなり否定するのも、納得がいかない。




「そうよっ‼だからもう放っておいてよね!」



魁を睨み付けて吐き捨てると、私は避けるように走り出す。


後ろから魁はついて来なかった。

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