好きが涙に変わって溢れてく。
教室に入るなりいつもと違う私の姿に、慌てて3人は駆け寄ってきた。
「桜綾!?」
「う~……っ」
地面を見つめたまま涙を流す私に、3人は人目を避けるように女子トイレへ向かっていく。
せっかくしてきた化粧も、涙でボロボロになっていた。
「どうしたのよ、桜綾。何があったの?」
心配そうにたずねる3人に、私はしゃくりあげながら口を開いた。
「また……っ、意地、張っちゃった……っ、素直、になるって、決めたのに……っ」
涙の理由を知ると、3人は大きくため息を吐く。
「な、何でため息……っ、吐くのよー……っ」
「いや、だってね……もう何て言ったらいいのか……」
「いつものことっていうか……」
「だからあれほど素直になれって昨日言ったでしょー!?」
呆れ顔の3人に更に涙は溢れるばかり。
「だって……、そんなこと言ったって……っ」
3人は泣きじゃくる私の背中を何度もさすってくれた。
「ムカつくんだもん……あんな呑気にしてる奴を好きな自分が。私が好きってあいつにバレるのが、何かムカつくの」