好きが涙に変わって溢れてく。
彩葉の声が一段と明るい。
きっと楽しみなんだろうな。
電話を切ると、私は玄関へ向かった。
「おはよ」
ドアを開けて、真っ先に目に入った彩葉の姿。それはとても驚くもの。
「彩葉……可愛い」
今までとは比べものにもならないくらい大人びた彩葉。
巻き髪がすごく似合っている。
いつも遊ぶ時はお互いに楽な格好してるから、こんな彩葉を見るのは初めてだ。
彩葉は細いから、凄くきれい。
格好も本当に大人っぽい。
思わず私は唾を飲み込んだ。
「ちょっと頑張ってみた。せっかくのデートだしねっ。桜綾だって可愛いじゃない」
そう言ってくれたけど、彩葉を見てから自分を見ると自分がどれだけ似合ってないか思い知らされる。
細くないし、顔も別に可愛くない。
今更だけど、彩葉の隣を歩くのに少しだけ抵抗を感じてしまった。
自信、なくなってきたよー……
「あ、ありがと」
ダメだ。せっかくの機会に落ち込んでたりしちゃ。
今日は思いっきり楽しまないとね。
明るくパッと笑って、私たちは遊園地へ向かった。