好きが涙に変わって溢れてく。

彩葉達を抜かして、私は再び歩き出す。


下を向いたまま、教室に向かって。

あの2人を、見たくなかったから。



椅子に座るとすぐに私は机に突っ伏した。




「やっぱり私、魁が好き」


「うん……」


「あれだけの事なのに、さっき凄く辛かった」



顔を埋めたまま、呟いた私。

3人共それ以上何も言わずに、私の傍にいて耳を傾けてくれていた。



「だったら尚更素直にならなきゃね」


「このままじゃ、誰かに盗られちゃうかもしれないし」


「そうだよね……」



そんなこと考えたくない。絶対にそんなことされたくない。


魁が他の誰かと付き合うなんて、考えたくない。




「よし‼」



突然勢いよく起き上がると、3人は驚きながら私を見ていた。



「な、何……」



目を丸くしている3人を尻目に、私は鞄の中からポーチを取り出す。



「化粧直してくるから、先生に上手く言っといて」



急に気合いが入った私は、そう言うと猛ダッシュで再び女子トイレへと向かった。

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