好きが涙に変わって溢れてく。
「……なんだよ、見んなよ」
「別に見てないわよ。魁の顔なんてー」
「ムカつく……」
意地悪っぽく言ってやると、益々魁の顔が赤くなる。
すると魁は、腰辺りに置いてある私のバッグをごそごそと触り始めた。
「ほら、お前のバッグ」
「あ、ありがと」
トイレに行ったままずっと預けっぱなしだった私のバッグ。
受け取ると、どこかそのバッグに違和感を覚えた。
「?」
なんか、膨らんでる……?
中を開けようとファスナーに手をかけた時。
「見て見ろよ、外」
「え?」
魁の声に、私は素直に外へ目をやる。
そこには……
「わぁ……」
私たちのゴンドラは、丁度頂上付近まで来ていた。
広い敷地内のため、上から見る景色は一面光の海。
私はその絶景に、窓に張り付いて眺めていた。
「きれいだね……」
「おぉ、そうだな」
見入ってしまうほど、釘付けになる。
間近くには魁の顔。