好きが涙に変わって溢れてく。
今朝の自分に戻った私は、一限目の授業へ向かっていた。
音楽室。
この授業が、明菜と同じなのだ。
「あ、桜綾~おはよ‼」
「おはよー明菜」
私は笑顔で明菜の隣へ座る。
さっきの出来事などもう忘れていた。
「明菜ー、最近彼氏とどうなのよっ?」
「うーん、あんまり上手く言ってないかなー」
しゅん、と悲しそうな表情に変わる明菜。
こんな明菜を見て、本当に女の子らしくて可愛いと思う。
モテるのもわかる気がする。
明菜の彼氏も逢織と同じで他校の同い年。
結構離れているので、不安になる気持ちもよくわかる。
「最近会ってないし……電話してもあんまり出てくれないし。だから何だか不安で」
スマホを見つめながらボーッとしている明菜。
やっぱり好きなんだっていう気持ちが凄く伝わってくる。
瞳が言ってた、遼也のことが気になっているって言う事実を疑ってしまいたいくらい。
「でも、やっぱり好きなんでしょ?その人のこと」
「うん……大好き。だけど、怖いの」