好きが涙に変わって溢れてく。
魁の本音
「さ・よっ」
「っ‼」
教室で1人でいる所をこっそりと近付いて、ポン、と肩に手を置く。
「びっくりしたー。脅かさないでよ……」
「ゴメンゴメン、昨日のこと聞こうと思ってさっ」
ウキウキ気分で彩葉の前に座ると、彩葉の目の色が変わった気がした。
「ねぇ~、昨日はどうだった?」
聞かなくてもホントはわかってるけど、わざと言ってみた。
彩葉の腕を肘でつつくと、何故か彩葉の顔が曇りだす。
「実は……」
重そうな口。
ウソ、何でこんな暗い雰囲気なの?
うまくいったんじゃないの……?
「実は…………付き合うことになりましたっ‼」
パッと笑顔に変わる彩葉に、私はホッと一安心。
「なんだ~、もうビックリしたー」
「へっへーん。さっきの仕返しじゃ」
悪戯っぽく舌を見せる彩葉に、私は嬉しさも込めて彩葉の頭をクシャクシャに撫でた。
やっぱりね……。よかった、上手くいって。